１．様々なクラリー
サルビアやセージの仲間には，ややこしい名前，混同し易い名前が多いです．特に，「クラリー」は代表例で下のように色々あります．
- クラリー・セージ ＝ Salvia sclarea
- バチカン・クラリー ＝ Salvia sclarea var. turkestanica
- ターキッシュクラリー ＝ （同上）
- ホワールドクラリー ＝ Salvia veriticillata
- クラリー ＝ Salvia viridis (Salvia horminum)
- クラリッサ ＝ （同上）
- アニュアルクラリー ＝ （同上）
- メドークラリー（メドゥクラリー）＝ Salvia pratensis
- コモンクラリー ＝ （同上）
- ワイルドクラリー ＝ Salvia verbenaca
どうでしょうか？
Claryの意味は，"clear eye"が変化したものだそうです．その昔クラリーセージの種を利用して，目に入った異物を取ったそうです．桐原さんのセージブックによれば，種子を水に浸した粘液を使ったそうです．上記のサルビアは使い方の共通点があったのだと思われます。
クラリーセージ（Salvia sclarea）
大きな蕾からきれいな花が顔を出す．
（1999-05-29）
クラリー（ペインテッドセージ，Salvia viridis）の種
湿った土に置くとたちまち白い粘膜で覆われた
（2001-09-23）
２．メドーセージの混乱
Salvia pratensisはMeadow sage，つまりメドーセージ（メドゥセージ）と呼ばれていますが，日本ではSalvia guaraniticaの事をメドーセージと呼んでしまっています．
日野春ハーブガーデンやおぎはら植物園のカタログでは，間違いを正すべきだと主張していました．まったくもっともな話ですが，一般園芸店で売られているSalvia guaraniticaに関しては，すっかりメドーセージが定着してしまっているようです．
Meadowというのは草原，牧草地の意味だそうです．なんとなく育った環境が分かりますね．
サルビア・プラテンシス（Salvia pratensis）
春に開花する
(2002-05-04)
サルビア・グアラニティカ（Salvia guaranitica）
青い美しい大きな花
(2010-06-11)